3.23.2016

しあわせな二人

とても、とても、とてもすてきな本に出会いました。


引田かおり・ターセン共著の「しあわせな二人」。

読み終わったあとは、こころがじんわり芯からあたたまるような
それでいて、清々しい風が春の野原にふうっと吹いたような
気持ちがする一冊でした。

読んでいる途中にはそうそうそう、と頷きたくなるような言葉が散りばめられ
なんだかわからないけれど涙がじんわり出て来て
たまらない気持ちになりました。

これからご結婚を控えている方、
パートナーと一緒に暮らしている方にはぜひ読んで欲しい本だなぁと思います。

ある一組のご夫婦がそれぞれの語り口で
お2人の夫婦生活、日常を語っているのですが

-結婚当初「どんなに仕事ができる人でも、家事はできない、
子育ては女の仕事だと言う人は、尊敬できない」と、カーリンにきっぱり言われた。
肩書きや年収より、「人として」という価値基準をしっかり持った女性だったので、
大きな仕事を成功させて浮かれて報告しても、
「それでたくさんの人が幸せになるの?」と、いつも聞かれていた。 ターセン-

なんて一文は女性なら、「そうそう」って言いたくなるかもしれません。
私は、「尊敬できない」という言葉がとてもしっくり来て、
且つこの時代に男性にハッキリとこういう言葉を言えた女性って
すごいなぁと思ったりしました。

どちらかだけが語るのではなく
夫婦両方の目線から語られているからこそ
価値観の違う相手と、時間をかけて
どんなふうに心地よい関係を築いていったかというのが見てとれて、
「今」を大切に、「今ここ」を楽しむことはとても大事なことだけれど
夫婦というものは「今」だけを見ていてはダメで
その長い線の先に続く物があるということを見据えた上で
「今ここ」にいる2人の関係性をつくっていくことが大切なんだなぁと
しみじみ感じました。

そして前書きに書いてある一言。

-自分自身が「しあわせだ」と思うことでしか、
本当のしあわせは得られない。-

私自身も最近はイライラするこがあっても「ああ、今イライラしているなぁ」
と一歩引いて内観できるようになったし、
日常の90%くらいはありがたいなぁ、幸せだなぁ、今日もいい1日だったなぁ
と感じながら過ごせている自分がいます。
それは幸せとは、自分で見つけようとするかどうかだけにかかっていることに
気付いたから。
一見ショックなことや、思い通りにいかないことがあっても
理由はわからないけど、きっとこっちの方が良かったんだと思っていると
だいたい本当にそれで良かったと思える結果になります。

この本には他にも共感できる言葉がたくさんあって、
そしてその価値観で仲良く、いきいきと、しあわせに生きているご夫婦が
いらっしゃるということを知ってとても嬉しくなりました。

ここには書いていない苦労も、もちろんたくさんお有りだとは思いますが
それでもこのお2人のような素敵な結婚生活が送れたらいいなぁと
素直に思いながらページをめくっていたら、あっと言う間に読み終わってしまいました。



-誰かがしあわせを運んできてくれるわけでも、
しあわせにしてくれるわけでもなく、それはいつも、自分たちの足元に、
内側に、しっかりあって、大切に育てられるかどうかは、
自分たち次第だってこと。-



興味のある方はぜひ読んでみて下さいね。