12.27.2012

merci beaucoup!

HPの更新が追いついていませんが…

ミニュイは12/29〜1/3までお休みをいただきます。

どうぞよろしくお願い致します。





2012年ももう終わりますね。

わたしははっきり言って全然年末感がありません。。

今年はほんとうにあーっという間に終わってしまいました。

早かったなー。。(遠い目)

みなさんはどのような1年だったでしょうか。


ここ数日年賀状を書いていて
お仕事関係でお世話になった方々、
今年ドレスや小物を作らせていただいたお客様、
来年の挙式を控えているお客様、
1枚1枚その方のお顔を浮かべながら宛名を書いていると
去年と比べ物にならないくらい枚数が増えていて、
幸せな気持ちでいっぱいになりました。

私自身も、ミニュイとしても今年1年は
すてきな人との出会いがたくさんあった年で
それらはほんとうにどれも、キラキラと輝く宝石のようです。

どんな
どんな
出会いも贈り物で

どんな
どんな
出来事も尊いものでした。

それはすべて
わたしのこころの一番深いところにある
小さな小さな種を思い出させてくれました。


個人的なことを言うと
今年は自分自身のこころの奥に
どんどん深く潜っていった1年で
深く潜ろうとするほどに難しくて
ときには自分のエゴイズムに溺れかけたり
ときにはぎゅっと目をつぶったせいで
目の前にあるものの本質が見えなくなったときもありました。
それでもそこを通り抜けたとき、
外側に反映される景色はほんとうに美しいものだと知りました。

ふだん外側ばかりを見て過ごしていると
自分自身の内側にある、欠けたパズルの1ピース、
その形がなんなのか、それが欠けているということさえ
気づかずにいることが往々にしてあるのでは、と思います。
自分自身のその欠けた形、欠けている意味、
を見せてくれる人にも出会った1年でした。
それはもう、本当に尊くて、
1000年くらい雨が降らなくて乾いた土地の奥深くから
こんこんと澄んだ水が湧き出てきて
植物の芽が出るような、それくらいの特別なものでした。





2013年はどんな年になるのかな。

今から楽しみです。



来年もこの手のひらを使って

誰かの心を温めることができるように

なにかを与えることができるように

わたしの心の奥の種を育てることができるように

与えられた時間を大切に過ごしたいと思います。


来年もどうぞよろしくお願い致します。


saya





12.25.2012

いしょう

昨年のライブではじめて衣装を製作させていただいた小杉奈緒さん。

(だいすき!)


今年も衣装を作らせていただくことができました。

ありがとうございます。


わたしの中で彼女のイメージにぴったりの織の生地をみつけて、

彼女のイメージをそのままに自由に作らせていただきました。



今年はほんとうにたくさんの素敵な人たちとの出会いがあった年で

彼女との出会いものその宝物のひとつです。



来年も彼女のすばらしい唄声が

一人でも多くのひとのこころに届きますように。











12.21.2012

pearl dress

いよいよ!
年末に近づいて来ておりますね。
ミニュイでは今年最後のドレスを今日なんとか作り終えて、
少しだけホッとしています。

年明けからすぐに慌ただしくなりそうですが
年内は少しのんびりと掃除や年賀状など
残りの仕事をこなそうかなと思っています。



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先日、挙式が終わられたお客様のお写真をいただきました。

この方々は別件の挙式で
わたしが当日お手伝いに伺えなかったお2人で
お写真で初めて当日の様子を拝見して、
ほんとうに、ほんとうに、ほんとうに綺麗で
思わず涙が出てしまいました。

彼女のためだけに作ったドレスが
1日寄り添って、彼女の魅力を引き立たせることができたのなら
とても幸せです。






ドレスはシンプルなAライン。
シンプルなぶん、素材選びや
胸元の折り返しの幅、背中の開き具合などは
彼も一緒に3人でたくさんお話しながら決めていきました。
挙式と披露宴ではウエストのリボンの色を変えて
少しイメージを変化させています。


ティアラ、イヤリングのアクセサリー類も
ミニュイのものをあわせてくださいました。


わたしは、
お客様からの「ドレスを頼んで本当によかった」という一言に
どれだけ救われて、
どれだけ力を与えてもらっているのでしょう。
ほんとうに、ドレスを作らせていただくたびに、
大切なものをお客様からいただいて、大切なことを教えてもらいます。
今年も1年ドレスを作らせていただけて本当に有り難いです。。



このお2人もいつも仲良く、必ずお2人でアトリエに通ってくださり
時には彼の方が真剣に素材やアクセサリーを考えたりも。
そんな風に花嫁さんのコーディネートを一緒に楽しんで考えてくださる
新郎さまも少ないので、わたしはとても楽しかったです。








キラキラと多面的な光を放つのではなく

その滑らかな曲線からあふれる やわらかで上品な輝き

必要以上に飾らないからこそ

その美しさは 引き出されます


その謙虚さとやわらかさが放つ本質的な美しさは

同じようにそれを持つひとにこそ 似合うと思うのです

彼女にお仕立てしたのはそんな真珠のような美しさのドレスです




12.17.2012

ちりめんじゃこについての考察


先日、こんな文章を見つけました。




「ちりめんじゃこを水に漬けたら、また泳ぎ出すと思う?あなたが望んでいることは、つまりそういうことなのよ」というセリフを、皿を洗いながら思いついた。具体的なつかいみちはない。





覆水盆に返らず。



ただ、細部を言うならば
ちりめんじゃこというのは、
「覆水」ではない、と私は思う。
ちりめんじゃこというのはそれ自体では
「使い途のない、間違った状態」ではない。
こぼれた水はそれ自体、誰の目にも明らかに
「しっぱい、まちがい」だが
ちりめんじゃこは、一つの目的を持った価値のある実体である。
ただ「泳いでいる魚」とは、
全く意味も目的も価値も違う。
ちりめんじゃこは食べるために加工された完成品であり
泳ぐ魚は、それ自体が一つの目的の達成系である。
べつべつの「価値あるもの」なのだ。



考えてしまった。


ちりめんじゃこは、成るべくして、ちりめんじゃこになった。

たぶん、水につけたら美味しいダシがでる。(でるよね?でない?)

また泳ぎだして欲しかったかもしれないけれど、

結局は美味しいダシとなって、料理に使って

わたしたちの胃袋を満たしてくれる。

それはそれで、大いに価値のあるものだ。

わたしたちは、自分たちの望む道筋の一寸先にしか焦点を

当てずに、それは意味があるとかないとか

よかった、よくないを判断するけれど

きっときっと全体として、

世界は完璧に出来上がっているのではないかと思う。






(自分で考えてて、そんなに深く考える必要のないことだと思ってます。)









今日は後半、ひたすらビーズとスパンコールを縫い付けていました。

ふだんは着てくださる花嫁さんがいて、
その方が着てくださるのを前提に作っていますが
今つくっているものは、
いったいどんな花嫁さんが着てくださるのだろう
と想像しながらひとつひとつ針を通しています。
それはそれでおもしろい。

縫っていて、改めて、
わたしはこのお仕事が心底好きなんだと思いました。
このお仕事を通して出会えた人が大好きです。


数年前、一度ウェディングのお仕事から離れることになったとき。

学生のころ友達が
「ウェディングは天職だと思うよ」って
何気なく言ってくれた言葉が張り付いて
(きっと彼女はそんなことを言ったことすら覚えていないと思う。)
勝手にその言葉を裏切ってしまったという
罪悪感をずっと持っていました。

でも、今なら
そのときとは全然違う気持ちで、その言葉に
「ありがとう」って言えます。

12.06.2012

山梔子のドレス

こんにちは。

外はついに、雪が降り出しました。

毎年冬になると、冬眠したくなります。。
または、やどかりのようにこたつに住めたらと切に願っています。。


さて、そんなことも言ってはいられない師走。
月初めに結婚式がありました。
ミニュイの年内挙式のお客様はこの方で最後。
ホッとするとともに、
また1年ドレスを作り続けられたことに感謝です。

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お式は厳かな仏前式でした。

仏前式というものを初めて拝見しましたが、神前やキリスト教式とは
また違う重厚さがあって、ぴっと身が引き締まるような思いでした。

とても日本らしいお式。

はなよめさん、とっっても白無垢がお似合いでした。




その後、ホテルに移動して披露宴。

お色直しでミニュイのドレスを着てくださいました。



 綺麗すぎて、泣けました。


披露宴もとてもとても愛情がこもったもので

本当に素晴らしかったです。


彼女のドレスはずっとずっと前から、

彼女がウェディングドレスを着るなら絶対にマーメイド!

とまわりのみんなで言っていたもの。

本当に自分にマーメイドが似合うのかな、という

新婦の不安を押し切る形で(笑)お作りしました。

日本人の体型に合わせたバランスで

太ももあたりから広がるソフトマーメイドのラインです。

みんなの思いも一緒に込めて、形にしました。


前撮りはシックなロケーションと2人の雰囲気が

マッチしていて、こちらもとっても素敵でした!

カメラマンさんの邪魔にならないように撮りました。

前撮りのお写真をいただいたらちゃんと素敵なものを載せたいです。。




彼女のノーブルな雰囲気に合わせてトップスは総レース、

そして柔らかいオーガンジーのスカート部分へと

レースが消えていくような感じです。

トレーンの裾にも繊細なリバーレースをつけました。

あえて総レースにしなかったのはオーガンジーの

やわらかな躍動感を出すため。

とても品のある顔立ちの彼女ですが

それ以上にいつも元気に動き回っている女の子。

そして、その「いつも元気」という根本にはまわりの人への

配慮や優しさから来ているものもあるのだと思います。

なのでしんと静かにそこに居る品だけではなく、

その瑞々しい生命力を

柔らかく、感じさせるものにしようと思いました。




披露宴の際は、少し膨らみだしたお腹のフロントに

リボンを巻いてカバーしています。

ドレスを製作しはじめた最中に妊娠が分かったので

なるべく負担のかからないよう、

素材選びや仕様も通常と少し変更を加え

妊婦さんだからこその女性らしい体のラインを

生かせるようにおつくりしました。

体型は少しずつ変化していきますし、

その方によっても変化は違うので

オーダードレスは様子を見ながら

その都度お直しができるのがいいところですね。


ヘッドドレスもオーダーいただいてお作りしました。

冬っぽい、雪の結晶のようなモチーフです。

スワロフスキーと艶のあるビーズ、パールを編み込んでいるので

披露宴のライティングにも映えていました。






瑞々しい生命力

さりげない品と可憐で甘い香り

謙虚さと聡明さが同居する、くちなしの花。

彼女はそんなくちなしの花のような人です。

その品を土台にして、幾重にもかさなるその花びらのような

清らかな美しさを 瑞々しい生命力を

たっぷりと風に揺らすようにして

花弁のように繊細なレースで飾りました。


幾重にも

幾重にも 

幸せが咲いていきますように。

11.30.2012

new shop card♡

ミニュイのショップカードがあたらしくなりました!






ベールの向こうの女の子の世界をのぞくように

または、本のページをめくるように

ひらくと

ドレスの女の子がいます。










実はHPやDM、ショップカードなどなど含めて
うちのお店個人のものでは初めて
自分以外の人にデザインをやっていただきました。

(今までは自分の想像を人に伝えるより
自分で具現化する方が早いと思っていたけれど
自分自身で出来る事に限界を感じたんです。。笑)



なので、わたしの中では新しい、
小さな挑戦でもありました。




イメージやフォントなどたくさんワガママ言ってしまったと思いますが
想像よりずっとずっといいものが出来上がってほんとうに嬉しいです。
デザインはNEW ACCIDENT/hirotoさん。
(色々と考えていただいてほんとありがとうございます。。)





シンプルだけど、ほんの少しだけ女の子らしくて、繊細。

真夜中に密やかに物語のページをめくるドキドキ感。

ミニュイの世界観が伝わるかな。





女の子の手のひらに収まるサイズ、にしてみました。




ぜひ、どこかで見つけたらバッグに、手帳に、本に、
忍ばせていってもらいたいです。





11.28.2012

sea



写真が撮りたくて

うみへいきました


ひんやりとつめたい風が

ここちよかった



































11.11.2012

light source

日曜日。

思いがけずお客様の時間が空いたのでブログでも書こうかな。



10代の終わりから、気づけばずっとドレスを作ってきて

自分の変化とともに

ドレスを、服を、つくるときの価値観も

変化してきているように感じるこのごろ。


ずっと変わらず「ポエティックなものづくり」というのは

軸にあるのだけれど。


よく、どうしてウェディングドレスなのって聞かれるのですが

わたしもよく分かりません…

気づいたら作っていた。

ちなみに通っていた学校ではドレスや衣装の専門のコース

ではなく、パターンを学ぶ専攻に居りました。

でも気づいたらドレスを作ってた。

当時、小学校からの親友が結婚することになり彼女のドレスを

放課後ずっと残って課題と平行して作っていたり

課題のテーマを無理矢理入れ込んで勝手にプレゼンで

ドレスを作っていたりしました。


様々なドレスのデザインがありますが

普遍的な、女性の体が美しく助長されるシルエット、

そういうものが好きなんだと思います。

バレンシアガのコレクション展。




ノースリーブから出た肩の曲線。

ウエストから腰にかけてのラインや

背骨からヒップにかけての美しい曲線。

7分袖からのぞく腕。

やわらかい肉感。

そういうものの美しさを

大声で自己主張するようなのでなく

そっと、静かに、だけどはっきりとその存在感を示すような

そんなドレスが理想です。



10代から一番変化してきたように思うのはこのこと。

いろいろと装飾によって紛らわして来た

可愛らしさや美しさが

どんどんミニマルに、その本質的な美しさに

価値を感じるようになってきました。

人間的なものも同じかな。

最近は色や素材そのものがとても気になります。







いろいろな美しさがあるけれど


わたしの中での軸は

下の写真の一番後ろのモデルさんが着てるみたいな

フェアリーな空気感。

不思議とうちに来られるお客様もこういう空気感が好きな方が多いです。



自分自身が光を纏って

その光でまわりを照らすような

光で満ちたひと。


自分自身がそういう人になりたいのかもしれません。



11.09.2012

わかたけ あおたけ


冬がその息を潜めながら 

こちらのほうに

そろり そろりと向かってきている気がするこのごろ。

そうやってわたしたちが何かに夢中になっているうちに

冬は気づけば

加速度を増して

びゅうんとわたしたちをくるんでしまうのです。いつも。

そうしてその繭にくるまって

いつもじっくりと春を待つ。

そんな冬の季節がもうそこまでやって来ていますね。


とうとう、冬。

1年はあっと言う間です。




そんな、冬を引っ張ってきているであろう、

少し肌寒い雨の日が続いた合間に

本当に奇跡みたいにあたたかくてお天気の良い日。

lecture du minuitの大切なお客様であり、

長い時間を一緒に過ごしてきた友達でもある2人の

結婚式がありました。




しゅっと伸びた細い手足に

ノーブルで丹精な顔立ちの花嫁さん。

挙式は由緒ある神社で、雅楽の生演奏の中の神前式。

秋の終わりの背筋がピンと伸びるような

ひんやりした空気に似合う、とても美しい白無垢姿でした。




披露宴で和装からドレスにチェンジ。

彼女のノーブルで上品な雰囲気に合わせて

ドレスはクラシカルなオフショルダー。




生地も探しに探して見つけた、

イタリア製の張りのある素材と

シルクシャンタンをミックスしています。

歩くとしゃりしゃりと音がするような感じです。

胸元が華奢すぎることを本人が気にしていたので

胸元は少しカバーしてデコルテが女性らしく、美しく見えるように。




その分背中は綺麗に出しました。

2次会ではトレーンを上げて裾を短くアレンジ。
ヘアもチェンジすると雰囲気変わりますね。





普段、着物や「和」の雰囲気が好きな彼女。

なので背中で結ぶリボンも裾に向かって太くして

帯結びのようなアレンジができるようにしました。

彼女のドレスを考えていたとき、ふと、彼女の名前

「結」という文字が頭に浮かんで、

改めてなんて素敵な名前なんだろうと思いました。

名前の雰囲気そのままに、育ったのね。




そんな彼女のドレスで浮かんだのは「若竹」のイメージ。


すらっと伸びた青々とした竹林の中に

さわやかな風がすうっと駆け抜けるような。

脈々と流れる時間の蓄積が青をより深い青に変えて行く。





この日は、新郎新婦が小学校からの同級生ということもあり

なんだか同窓会みたいな雰囲気で

久しぶりに会うけど変わらないみんなが居て

なんだかホッとできた日でもありました。

そして、2人を見ていて、

お互いを想い合う気持ちというのは

ほんとうに素敵だな、と改めて思いました。


幸せな時間をありがとう。


10.29.2012

たゆたう

こんにちは。

すこし朝晩の通勤が肌寒くなってきて

もう冬が手前までやって来ているように感じます。

でも今年は秋をいっぱいに感じられたので幸せ。


きのう寺町大丸堂での
たちなみえみさんと石川征樹さんのライブに行ってきました。

えみさんのうたが大好きで、昨日聴いた
お庭で男の子と女の子が「君の頬はバラのようだ。キスしたい。」
と言っている妄想を歌にした曲(笑)が
最高にすてきでした。

征樹さんのギターは心地よすぎて、
振り子時計のかちかちという音と
ランタンの明かり、
それらと重なって、
わたしは完全に違う世界に旅立ってしまいました。


真っ白の部屋。
そうっと風が吹いていて、
わたしはその白い壁に映写機みたいにして反対の部屋にあるものを映して見てた。
時計の針の音は時間を持ち去ってしまった。
そして何かを食べたいと思ったらそれが手の中にあり、
何かを読みたいと思ったらそれもすでに手に持ってた。
それらは本当に素晴らしいものだと手に持った瞬間にわかった。

そうしているうちにひとつのやさしい風がやってきて
わたしは真っ白な部屋を出る。
そこには真ん中に噴水のある小さなお庭があって
反対側の真っ白な部屋からは
わたしが待っていたものが現れる。
映写機で見ていたもの。
それがわたしの手に触れたとき、
温度が融解して
その瞬間にすべてが完璧になったと感じた。



という完全なる想像の世界に居たわたしは
演奏が終わっても半分そっちに居たかもしれません。笑

そしてすてきな、すてきな大丸堂のおじさまに名前を
覚えていただいていて、声をかけていただいて感激

ちなみにその前に乗越さんに寄って、世間話したら
すーーーごく元気になった。
彼女に会うと、なんだかいつも心の底から
エネルギーが湧く気がします。
ありがとう!

わたしの大好きな人たちは、みんな、目がキラキラ
ビー玉みたいに透き通っていてきれい。



とってもいい夜でした。


********

わたしの妄想話はもういいと思うので

先日のブログにも書いた

美しい美しいはなよめさん

彼女から前撮りのお写真をいただいたので

いっぱい載せてしまいます。

彼女の写真も、
他の世界に連れて行ってくれるのでは、
と思うほど素敵です。

言葉は必要ないですね。





















10.28.2012

textile



−何かを選択することは

 何かを選択しないことだ。

すべて分析ではなく、勇気に関わる問題である。−


    



今回はドレスをつくる上での生地への思いについて
ちょっと書きたいと思います。


もともと、衣食住に対してオーガニックという言葉に関心がありました。
否、なんとなくいいんだろうなと思っていました。


でもそれが自分の作っているドレスと直接に繋がるとはあまり思っていなく、
ただ、オーダーメイドでドレスをつくりはじめて
お客様とお話を重ねて、一着一着こころを込めてお作りするようになってから
生地を選ぶ際の基準として、見栄えがいいだけでなく
花嫁さん自身が気持ちのいいもの、
身に纏うだけでやさしい気持ちになれるもの、
そういうものを使いたいと思うようになりました。


そんな中で生地を模索していたときに、オーガニックコットンに
ついての記事を読む機会がありました。
それを読んだときに、わたしの考え方は以前とは全く違うものに変わりました。
記事をそのままペーストすればもっと分かりやすいのかも
しれませんが、わたしなりの解釈を加えた言葉で
思いが伝われば、と思うのでわたしの言葉で書かせていただきますね。




ほとんどの人がコットンのお洋服は1枚は
クローゼットに入っているのではないでしょうか。
さて、そのお洋服はどんなコットンで作られているか知っていますか?


今、農作物に使用される農薬や食べ物の添加物の危険性についての
関心がやっと少しずつ高くなってきている気がしますが
綿花も育てるときには大量の農薬や枯れ葉剤が使用されるのだそうです。

綿花ももともとは自然のものなので昔は完熟したら手で採る、という感じ
だったものが大量生産と利益追求のために
ある程度成長したら促進剤と枯葉剤を大量に飛行機でまいて
機械で摘むという農法が主流なんだそう。


今、ほんとうにどこでも安く流行のお洋服が手に入るようになりました。
1シーズン着て、飽きたらぽいっとして
次のシーズンにはまた流行の服を買えばいいのです。

わたしは完全にはファストファッションを否定出来ません。
自分自身もそれの恩恵にあずかっているところはあるから。
企業努力でコストを下げている会社もあります。
ただ、やっぱり時間をかけて、大切につくられているお洋服は
残っていって欲しいし、それが選べる自分でありたいし、
そういうものが作れる自分でありたい。

自然とも調和的でありたい。
大量生産や利益追求のためにされていることはとても不自然です。
わたしたちの日々の生活においても同じことが起こっていると思います。
まわり人との調和や、食べ物との調和、
自分自身との調和。
そういうものを大切にしたい。




また、農薬はとても高価で、かつ土地自身の力を弱めます。
そうすると次の年にはさらに強い農薬を使わないと綿花は育たなくなります。
この悪循環で発展途上国の農家は借金をして農薬を買わざるを得ない状況が
あり、そのために自殺者まで出ているのだそうです。
この事実を知ったとき、本当にショックでした。

正直、オーガニックの製品はそうでないものに比べて値段が高いので
オーガニックのものを使うとコストが上がります。
同じ金額のコットンドレスを作っても農薬を使って作られた
生地を使った方が利益は上がります。


ただ、わたしは、幸せをサポートするお仕事をしています。


だからそのために関わる人、ものについても
なにかよくないものであったり、
ましてや人の命を犠牲にして作られる生地を使ってまで
作るドレス…。
それは本当の意味で幸せをサポートするものとは言えないし
作り手も、生地を生産する側も、着てくださる花嫁さんも、
全ての人が幸せになるようなものづくりがしたいと思いました。


オーガニックの生地は着る側はもちろん気持ちがいいです。
アトピーやアレルギーのない人でも
ふんわりと優しい肌触りはこころをまあるくしてくれます。

そして、有機栽培で綿花を育てることによって
土地は豊かになるし、ゴミも少なくなったり、
農家の人は借金もしなくて済むので収入も増えます。
そして農薬を使わないので健康でいられます。

また、フェアトレードのオーガニックの商品を扱っている
会社に勤務する方はストレスが少ないとも聞きました。
正直な商品を扱っているから売る事にも誇りを持てるし
自分自身もそれを触ったり、使ったりすることで調和的になったり
するのだそうです。
みんなにやさしい、っていいですね。



こんなことを知ってから、
わたしに出来ることは、と考えたときに
できればウェディングドレスもオーガニックコットンで作れたら、
と思うようになりました。
ただ、ドレスはやはり白が人気ですし
(染色して白色の生地もあるのですが化学染料を使っていたら意味がないし、
やはりまだ種類は少ないです)
コットンはしわになりやすかったり、問題も色々あります。
オーダーで作っている以上はお客様の希望が最優先です。

ただ、生成りのドレスを着たいという方や
ナチュラルなドレスのイメージを持って来られる方などには
オーガニックコットンをオススメしたりしています。
そうでない方にも、なるべく天然繊維を。
うちのサンプルドレスなどはこれから少しずつオーガニックコットンの
ものが増やしていければいいなぁと思っていて、
選ぶ側の花嫁さん自身にもこういう事実を知っていたら
またちょっと見え方が変わるかなと思って
ここに書かせていただきました。

この秋には何着かオーガニックコットンのドレスを作らせていただきました。
そのために私もオーガニックコットンで、且つシルクのように
肌触りが滑らかで高級感のある光沢の生地をかなり探しました。
着てくださった花嫁さんがみなさん「生地が優しい」とか
「気持ちがいい」って言ってくれたのが嬉しかったな。


わたしも天然繊維以外の素材も使います。着ます。
「こうしなければならない」というのは違うと思っていて、
やわらかく、自由に、まあるく、たのしく
これからもものづくりが出来れば嬉しいなと思っています。


農業については私は全くの無知ですし、
生地についても全然勉強不足
(なので、事実と違うことを書いてたらご指摘ください。。)
ですがわたしもちょっとずつ、
これから学んでいって、わたしの手とあたまとこころを使って
一人でも多くの人の幸せのお手伝いが出来ればな、と思っています。







saya

10.27.2012

静寂に咲く花のドレス

この日もそっと風が吹く

最高に気持ちのよい秋の日


またまた素敵な結婚式がありました


凛とした雰囲気の彼女

でもお話するとその柔らかい雰囲気に吸い込まれそうになる

器の広さと、守ってあげたくなるところ

実はすごくしっかりしている部分

そんな相反する魅力をたくさん

ぎゅっと 花束のように抱えた彼女には

控えめで静かに

だけど

まわりを包みこむ 温かさと懐の深さ

清々しい凛々しさを持ったドレスをお仕立てしました


花のように笑う彼女のために

花のように咲く素晴らしい1日になるようにと願いをこめて









とってもきれいな花嫁さんでした。


白ではなく、生成りの
シルクのような滑らかな肌触りのオーガニックコットンに
様々な種類のレースをのせてヴィンテージのドレスのような雰囲気に
仕立てました。

スカート部分だけでなく、
胸元にもさりげなく小さなレースが入っていたり。

ヘッドドレスとイヤリングはドレスの生地をベースに、
グローブは雰囲気に合わせて、重くなりすぎないよう
フィンガーレスのレースのものをお作りしました。


バックスタイルはシンプルですが
広い会場に負けないようトレーンを長めに。





披露宴へのチェンジ中。
挙式はベールもあるのでビスチェですっきりとシンプルに。
披露宴ではグローブと同じレースのトップスを付けて
少し雰囲気を変えられるようにしました。






いつもアトリエへ来てくれるたびに楽しく
笑わせてくれたmaiちゃん。


挙式前に最後にアトリエを訪れてくれたとき、


わたしの夢を叶えてくれてありがとう。

あなたの夢も叶うように祈っているね。


という英語のメッセージを書いたキャンドルをプレゼントしてくれました。




maiちゃん

わたしもまたひとつmaiちゃんに夢を叶えてもらったよ。

ありがとう。




いつも「夢を叶えてくれてありがとう」という言葉を
プレゼントしてくれる花嫁さんたち。
その言葉こそ、わたし自身が夢を叶えてもらっている証拠。
お守りの言葉。








とってもきれい。