7.29.2012

the end of 7.

ゆうぐれ。

雲は夏のかたちをしていて、ほんとうに素晴らしい色に輝いていた。



向こうの世界に住んでいたとき、それは直線的につながっていて

点と点が規則的に並んでいたような気がする。

この場所に戻って来て、この場所ではそれらは面的に曲線を描いて

つながって、輪をなしている。

輪、それはまだ描いている途中。

でもすでに完成している。

それはいつでも完璧な輪を描いているし、

いつでも自由なときに書き足すこともできる。

すべては、もう、ある。完璧に。

必要なものは手の中にあって、もう十分にわたしを満たしてくれていて、

それらはいつでも星のように手の中で輝き、

それらはいつでも、たとえわたしが見ていないときでさえ、

美しく、透明に世界を構成し、わたしを待っていてくれる。





なつ。




みなさま、毎日暑いですがいかがお過ごしでしょうか。


時間と心をかけて準備していたイベントも終わり、
わたしはいよいよ、秋挙式のお客様のドレスづくりも佳境に入り、
毎日慌ただしくすごしています。

「森の中のけっこんしき」に遊びにいらしていただいた方、
ほんとうにありがとうございました。

たくさんの見に来てくださった方、協力してくださったもく遊りんの方、
出演してくれたみんな、一緒につくりあげてくれたスタッフ
そのたくさんの方のおかげで、とても素晴らしい1日でした。
写真がまだないので、また改めてこのイベントのことは
書かせていただこうと思います。



でも、今年は特別にいい夏を過ごしています。


ずっと、ずっと、長い時間をかけて探ってきたものが
気づけば力強く、根をはっていました。
ずっと、種を蒔いてきたんですね。



美しい世界をみせてくれる、ひとたち。
そんな人に囲まれている。

世界は美しい。
世界は満ち満ちていて、豊だ。
とても。


そんなことを思った、今日の夕暮れ。








ものごとをどの角度から見るかは、自分で決められる。





7.14.2012

blanco biancoでのお取り扱いスタートです*

作家さんのアイテムや、
他にはない個性的なウェディングの小物やドレスを扱う、
東京都内のショップblanco biancoさんにて
lecture du minuitの商品をお取り扱いいただけるようになりました。

現在はヘッドドレスとベールのお取り扱いとなります。

花びらを1枚1枚手染めしている
わすれな草とすずらんのかんむりや
蝶々をひとつずつ編んでつなげたかんむり、
ヴィンテージのレースや旅先で出会ったレースなどをコラージュしたベール、
その他にもすべて手作業で1点ずつ心をこめてお作りした
アイテムたちがblanco biancoさんでご覧いただけます。
(ベールは少し納品が遅れています。ごめんなさい。。)






blanco biancoさんはオリジナリティのあるウェディングで
今大人気のHOTEL CLASKAさんとも提携されている
素敵なウェディングドレスのお店です。
自分らしいウェディングのアイテムをお探しの方はぜひ、
足を運ばれてみてくださいね。



(お店のHPよりお写真お借りしました)


〒135-0007東京都江東区新大橋3-12-6 森下 Number Light 202
営業時間:11:00-20:00
定休日 :不定休
*休業日はblogにてご確認ください。
tel & fax 03-6659-9266
mail. info@blancobianco.com
提 携 :CLASKA Bridal

7.11.2012

頬色の紫陽花

オーダーをいただいて
あじさいのヘッドドレスをおつくりしました。




遠方のお客様だったのでメールでドレスの
お写真を送っていただいて、それに合うように
やわらかく、あたたかく、ほどけるような色味のピンクを
頭に描いて、花びらを1枚1枚染めました。

桜色、鴇色(ときいろ)、紅梅色、
そんな色味がひらいては、ほどけて、混ざり合って
溶けていく、ちょうど女の子の頬みたいな色。

気に入っていただけると嬉しいな。


遠方のお客様だったり、ミニュイの商品を取り扱っていただいている
店舗で商品をお買い上げいただいたお客様などは
わたしは直接お顔を拝見したり、お話をすることが出来なくて、
プレタポルテのお洋服では当たり前のことなのですが
それがミニュイにとっていいのか、
自分自身に疑問に思っていたころがありました。

でも、
言葉や目に見えるものでないとなにも伝えられない
というのはきっと違うのだろうと今は思っています。
わたしたちは、言葉にできない思いを
形にするためにものづくりをしています。
だから、きっとそういうモノたちが
自分のかわりにちゃんと、目には見えない思いを
お客さまのもとに伝えてくれるのだろうし、
それを受け取った側の方が
自由に思っていただければ、それでいいのだと思います。
「こういう風に思って欲しい」や
「こういう思いをわかって欲しい」は
こちらのエゴですね。

どこかで、なにかのきっかけで、ミニュイのものと出会って
少しでも柔らかい気持ちや
温かい気持ちになってくれるひとがいたら
もう、それ以上のことなんて必要ないのだと思います。




梅雨の合間に晴れ間の広がる
素敵な挙式になりますように。

7.10.2012

before into bed...

以前からお伝えしていた2次会用のドレス。
やっとやっと、HPの方にアップできました。

こちらからlookbookの方へとんでいただくと、
スライドショーで見ていただけます。
(スライドショーはPCで見ないとならないっぽいので
ぜひPCからご覧くださいね。

今回つくった子たちは「before into bed」というラインで
今後も少しずつ、増やしていけたらと思っています。
レンタルのドレスですが、すべて1点ものです。

慌ただしくて幸福に満ちた1日も終わり、
美しい月明かりの下
ベッドに入るひとつ前の時間のためのドレスです。

あえて体にフィットしすぎないラインで
花嫁さま自身がリラックスして、かつ、
ちゃんと最後まで花嫁でいられるドレスをつくりました。
素材はリネンやコットンなど。
天然繊維は身に纏ったとき、
人を柔らかく優しい気持ちにしてくれます。
そのため、今回は裏地もほとんどのものがコットンです。
表地、裏地ともに肌に触れたときに優しい気持ちに
なれるようなものを選びました。

before into bedの空気感は
lecture du minuitのもともとの物語、
「真夜中にひっそりとベッドに入って
自分自身の物語を1ページずつひらくドキドキ感」

(lecture du minuitはフランス語で「真夜中の読書」と訳します。)

の空気を一番忠実に再現している感じで、
女の子の儚くて、繊細で、無垢な感じに
少しだけ、色気がにじみでるような雰囲気で
わたし自身とても気に入っています。





そこに存在しているだけで、

まわりの人を幸福で包んでしまうような、

柔らかく、あたたかく、寛容で愛に満ちた

花嫁さん、というか女の子でいっぱいになったら、

世界はもう

光でいっぱいに満ち溢れてしまうのではないかと思っています。

7.05.2012

ぼくのバラ

「さようなら」と王子さまはいった。

「さようなら」と狐がいった。

「おれの秘密を教えようか。簡単なことさ。
心で見ないと物事はよく見えない。
肝心なことは目には見えないということだ。」

「肝心なことは目には見えない」と王子さまは忘れないように繰り返した。

「あんたのバラがあんたにとって大切なものになるのは、
そのバラのためにあんたがかけた時間のためだ」

「ぼくがバラのためにかけた時間…」
と王子さまは忘れないように繰り返した。

「人間というものはこの真理を忘れているんだ。
だけど、忘れてはいけない。あんたは、自分が飼いならしたものに対して
どこまでも責任がある。あんたはあんたのバラに責任がある…」

「ぼくは、ぼくのバラに責任がある…」
と王子さまは忘れないように繰り返した。

新訳・星の王子さま


倉橋由美子さんの翻訳、ほんとうにすてきです。


目にみえないものを信じるってむずかしい。




書きかけのブログを何日も放置してしまっていました。

最近毎日のように新しい気づきがあって、
わかってきたことは、たくさんのバラバラの事柄があって、
それをひとつひとつひも解いていくと、
答えは同じ!という感じ。
ものごとが立体になって、ひとつの頂点になるような。

経済の問題も、
環境問題も、
原発の問題も、
自分の身の回りに起こっている問題も、
みんな同じ、というふうに見えてきました。
そして、ほんとうの答えはきっとシンプルで、
玉葱の皮をむくように、ひとつひとつ複雑化されているものを
剥いでいくと、そこに解があるような気がしています。


わたしは「ぼくのバラ」がなんなのか、何年もわかりませんでした。


「ぼくのバラ」はずっと外側にあるものだと思っていました。
でも、今、自分が飼いならしたしたもの、というのは
内側にある自分自身のことなのではないかと思っています。



自分も含めて、ほんとうに今
虚構やエゴで世界は溢れているなぁと感じていて、
同時にそれに気づいている人も増えてきていて、
エゴや不安でこれからも生きて行くのか、
それらを手放して、愛で生きて行くのか
世界は二極化していくと言われています。


食べ物の問題でも
添加物やジャンクなものを摂取し続けていると
体がそれに慣れてしまって、自らそれを求めたり、
ほんとうにいいものに対する自分自身の本能が弱まってしまいますが
人間関係でも同じようなことは起きていると思います。
やっぱり、どの問題も同じなのです。
やわらかいものは精妙で、伝わるのにも時間がかかる。
でも力業でぐいっとこっちを向かせるような
強い添加物の味のようなものはやっぱり危険で、
ほんとうにいいものが自分の内側に入ってきたときに
心地いいと感じられる感性をちゃんと育てておきたいと思うし
自分の感性が心地よいと感じるものを信頼するのは
目にはみえなくて、時に不安になるけれど、
やっぱりそれをわたしは大切にしていこうと思います。

今を決めるものは、
いつだって外側ではなく
内側にあるものですね。