10.17.2013

光と風を透す白

お客様の挙式のアテンドに入らせていただきました。

金沢にある小さな教会と同じ敷地内にある幼稚園での結婚式。

心がこもった、とてもとても心の温度が伝わる
あたたかい挙式でした。




花嫁さんは陶芸家さん。
機会があって、ドレスのお話をいただいて初めてお会いするとき
彼女の工房におじゃまさせていただきました。

風通しのよい工房で
小さく丸まって、ひたすらこつこつと作陶する姿。

その脇に並べられた小さくて美しい器たち。

普段スカートを全くはかないと聞いて
とてもボーイッシュな方なのかと思っていたら
小柄で、少女がそのまま大人になったような
ほんとうに無邪気で可愛らしい方で
もう、私の方がどうしてもこの方のドレスを作りたくなってしまったのです。

普段スカートを履かない彼女が、
ドレスなんて恥ずかしくて着れないという彼女が、
着るのが楽しみになるようなものを。
10年後、お写真を見たときにあぁ着てよかったって思えるようなものを。

作品にその人のすべてはあらわれていると思うから、
彼女が作る器のイメージをそのままドレスにしようと思いました。


光と風がとおるような、やわらかい白

女のひとの美しい手の中にあたたかく包まれるような

丸みと繊細さを持った彼女の作品。


彼女の作品はボーイッシュなんて言葉は全然似合わなくて、
詩的で、繊細で、品があって、
シンプルだけど本当に女性らしいんです。


色々な素材サンプルを見て、さわって、見つけた1枚。
シルクとレーヨンの光を通す、柔らかくて、美しい光沢の素材。
この素材が彼女の作品の質感とリンクして
もうこれしかないって思って。
デザインは本当にシンプルに、
彼女が気にしている体型の部分をカバーするような立体感だけをプラスして、
背中のくるみボタンは彼女の作品についている小さくてかわいい蓋の持ち手のイメージ。

当日、ヘアメイクをしてドレスを着られた姿を見た時
ほんとうにきれいで、なんだか感動してしまって言葉になりませんでした。



(しかもお支度部屋は幼稚園の図書室♡)

結婚式は160人(!)もの方が参列され
みんなが心からの祝福を送っているのが伝わってきて、
いかにお2人が普段まわりの方から愛されているか、伝わってきて
みんなが号泣の素晴らしいお式でした。




カタチや豪華さなんて本当はどうでもよくて
心がこもった結婚式はお2人だけでなく
みんなを幸せにするし、
いつまでも参列された方の心に残るものになるのだと
改めて教えてもらいました。



本当におめでとうございました。
そしてドレスを作らせていただいて本当にありがとうございました。

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