9.04.2012

9.4

こんにちは。
もう9月ですね。
日めくりカレンダーみたいに
秋への切符を毎日めくっているようで嬉しいです。
ぜんぶめくっていったら、そこに待っているのは秋!
という感じ。

でもいつも、それを眺めてうっとりしているうちに
それは冬に混じりこんでいって
気づいたら秋の向こうまで自然にめくられていて
寒さにストールをぎゅっと体に寄せたときに、
もう秋は過ぎたのだと気づく。

秋ってなんて儚いのだろう。
でもそこがすき。



しばらくブログを書いていなかったらうまく書けない。
なので今日はリハビリみたいな感じです。



数日前、お昼ご飯を買いにアトリエの外に出たら
ちょうどのタイミングで大雨が降って来て、
しばらくどこかのお店の軒下から出られなくなってしまいました。

目の前を通っていく人は傘の中に身を隠すように歩いて行く。

通り過ぎて行く車の人たちは、
雨のすごさから守られた涼しい車の中で楽しそうに笑っている。
日曜日だからきっとデートとかしてるんだ。

当然だけど、わたしに傘を差し出してくれる人もいるはずもなく、
一人でずっと雨が気まぐれに強くなる様を見ていると
数年前、東京で見た景色と重なった。

そのときは東京で仕事をしていて、電車から降りて家までの帰り道。
急に大雨が降ってきて、わたしはいつも寄る本屋さんの軒下に逃れた。
その日はたしか珍しく仕事が残業なく終わって、帰宅ラッシュの時間帯だったから
わたしが一人で本屋さんの軒下にいると、傘を持った人たちが流れていく。
わたしと同じように雨宿りをしていた人たち。
わたしが途方もなく空を見上げていたら、誰か家族や恋人が
傘を持ってお迎えにきていた。
一人、また一人とそのお迎えの傘に入って、
あったかい電気がついたお家に帰っていく人たち。


たまらない孤独感でいっぱいになった。
どれだけ待っても、わたしには迎えに来てくれる人も、
傘を差し出してくれる人もいない。

少し走ればコンビニで傘は買えたのに、どうしても買う気にはなれなくて
びしょぬれになりながら帰って泣いた。


…ような気がする。


そのときの雨と重なった。



ただ、違ったのはそのときのわたしはもういなくて、
雨は慌ただしかった頭の中に休憩をくれた。

目に見えない、やわらかいもので守られているような気がして、
激しく降れるほどにそれは予兆のように思えて、
「雨はじきにやむ」という言葉がそこにはあった。


人は自分の見ている景色を見たいように見ることができる。



ものごとの本質というのは、
たくさんの服を着ているのだと最近思う。
洋服、纏いすぎて重くなってたり、その中心が見えなくなっていたりする。
北風と太陽のおはなしのように
北風にあたればあたるほどに、
本質は服のボタンをしっかりと閉めてしまうのだろう。

太陽にあたたかく照らされれば、
きっとそれはゆっくりと1枚ずつ服を脱いでいき、
最後に残るものはとてもシンプルだ。


そんなことを雨の中で思っていた。





雨はじきにやむ。





しょうがないのでなんとかスターバックスにたどり着いて、
雨が止むまでそこでお昼を食べることにした。






雨のあとの夕暮れは格別に美しいと思う。


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